2009年1月26日月曜日

衣に想う。

「衣、食、住」。
小学校の時に習った、人間の営みにとって最も大事とされる事柄です。よね。
それらには、それぞれの国の土着の文化が大きく反映されており、その国々の持つ気候風土や歴史などの積み重ねにより、進化してきたものです。まさに「文化」そのものです。の、はずです。が、今日の日本という国の「衣、食、住」を見直してみますと、この100年位の間で大きく方向性を変え、もしくは無くなったり・・・今、日本の「衣、食、住」は非常に危険な状態に陥っていると思います。言い方を変えれば、日本の文化の危機だとも言う事ができます。
そこで、今回は「衣、食、住」のうちの「衣」についてたらたらたらたらと書こうと思います。
「衣」・・・。
無くては困ります。寒いです。死んでしまいます。もちろん「衣」には寒さを防いだり、と、身を守る役目があります。しかし、それだけではありません。人間達はそこに「遊び心」を加え、文化にしてしまいました。先にも書きましたが、そこにそれぞれの気候風土が影響し、それぞれの美意識がプラスされ、様々な「衣」が生まれたのだと思います。それぞれの人種にあったものが代々受け継がれ、時代と共に進化していきました。日本にも「キモノ」と呼ばれる「衣」がありますが、今や誰も着ていませんし、着かたすら知りません。冠婚葬祭(冠婚葬祭って、その国の文化を十二分に出すものですよね)においても、もはや背広(スーツ)、ドレスが当たり前で、結婚式には白のネクタイ・・お葬式には黒のネクタイ・・と、よく考えるとワケのわからない常識にしばられているのが現実です。大体において、日本と言う国のフォーマルはキモノであります。背広にネクタイではありません。いつからこんな事になってしまったのだろう・・・歴史を辿れば、恐らく明治の文明開化で始まり、終戦後の「アメリカ」の侵入によって更に加速されていったのでしょう。先日、テレビにおいて、ある芸能人が、久しぶりにスーツを着たという事への感想に、「やっぱ、スーツは気が引き締まる!」と言ってましたが・・・私は内心、気が引き締まっているのではなく、ネクタイで首が締まってるんじゃないの〜と、思ってしまいました。
ちなみに私は西洋文化否定派ではありません。むしろ肯定派であります。
ただ、ただ、思うのは、日本の美しく素晴らしい・・世界一の「衣」の文化が失われていく事が残念なだけです。
まずは天皇陛下に、是非、フォーマルの場において毎回キモノを着て頂き、国会のおじさん方も(クールビズとかいって、わけのわからない半袖の背広を着るのではなく)皆、キモノで予算委員会に参加して頂き、サッカー日本代表も遠征時は皆、キモノ・・・(おぉ・・想像するだけで、気が引き締まりますな〜)教育の場においては「着付け」を義務授業のカリキュラムに入れる。(着付けが出来ないと大人になってから本気で恥をかきます)キモノがもっと自然になる事で、職人達も増え、扱う業者も増える(雇用も増える)→値段も下がる。そして何より、草履の発注も増える・・・。(私事ですが・・・)そんな気がします。
もう、無理をする時代は終わりました。外人さんにならなくていいのです。
昔から日本人には日本人に最も合う「衣」が存在しているのです。
私達は、手足が短く、頭、顔がでかい日本人なのです。(最近の子供達はアメリカの食文化のおかげで、体はアメリカンになって来ていますが・・・)
これからは、世界屈指の文化と歴史を持つ日本人として誇りを持ち、逆に世界に発信していくべきです。それには、まず、日本人自身が日本に興味を持ち、それを受け継ぎ、伝えていく事を忘れてはならないと思う今日この頃・・・なのですが・・・

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