2009年1月7日水曜日

突然ですが・・
草履の芯となるのが、「縄」でございます。
「織り」で言う所の縦糸にあたります。この「縄」がしっかりしたものであれば、しっかりとした草履になり、弱いものだと、弱い草履になってしまいます。草履の良い悪しを左右するのが「縄」と言っても過言ではありません。草履を作る上で、一番最初に行う作業が「縄なえ(縄を編む)」という作業でありまして、一番「気」を使う作業でもあります。「丈夫な草履。」をコンセプトにする私は、まず、この作業に多くの「気」を使います。
そして、おもしろい事に(あまりおもしろくありませんが・・・)草履の構造上、この「縄」は、最終的には草履の裏に隠れてしまい、全く表には出て来なくなります。(草履に縄が使われていると知る人は少ないでしょう。)一番力を使い、一番気を使ったモノが最終的に一切見えなくなる・・・。ここに私は「日本のモノ作り」の真髄を感じます。「見えない所に気を使う。」「見えない所も美しい・・・。」「見えない所、だからこそ、美しく・・・。」
私が、草履作りから教わった「日本」という文化の謙虚さと誠実さのほんの一つでございます。

昔の日本のモノが優れていた理由は、そこに決して「手」を抜かなかったのでしょうね。

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