最近、珍しく女性の草履を作る事が続いた。
( 私の草履の8割は男性からの発注である )
女性の草履を作る事。女性に対しモノを作る時、いつも決まって私は相当のストレスを感じる。
しかし、そのストレスは決して嫌なものでは無い。ある意味「未知の領域への挑戦」への「不安」と言ったほうがいいかも知れない。男である私に、はたして女性を納得(満足)させられるモノが作られるのか??という想いにいつも悩まされる。
比べて、私にとって男性用の草履を作るという作業は非常に容易な事である。なぜか??
それは私が男であるからで、私の中にある「かっこいい」を全てぶつければいいからである。
そこには、「かわいい」はいらない。かっこよければいい世界なのである。
しかし、未知の領域である「女性」という世界には、それだけでは通用しないモノがある。身近でありながら、人生で一度も体験した事のない「女性」という生き方・・・感性。
わからない事だらけである。
どんな強い男も、強がっている男も女性から産まれるという事実。人間という生き物を産み出す地球も言い方を変えれば、我々にとっての「母」であり、「女性」であるはずだ。
考えれば考えるほど「女性」という存在がデカくなり、わからなくなる。
そして、願わくば女性は男性よりも「美しく」あってほしい。それは表面上だけでは無く、内面的にも・・・。
だから私は女性の草履を作る時、頭の中で「美しく・・美しく・・美しくなれ〜・・美しく・・そして、可愛く・・可愛く・・可愛くなれ〜」と、イメージする。
これを少しでも怠り、無意識になってしまうと、私の中の「かっこいい」イメージが無意識に現れ、「かっこいい」ベクトルに傾いてしまうのである。
私は想うが、「かっこいい」は男性の専売特許であり逆にこの領域には女性に入って来てほしくない。( その最たるモノがROCKである )
その分、女性は「美」という最高の世界に生きる事が出来、そしてそれが許される。
話はそれたが・・・
私にとって女性の草履を作るという事は、「美」という、私にとって未知であり、そして憧れの世界に貢献できる(かも知れない)作業なのである。
そんな事を考えながら・・・
最近、女性用の草履に「なでしこ」という名を付けた。
追伸:
ちなみに、なでしこジャパンとは一切関係ありません。
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